相続税とは?

相続税についてお話します。

皆様、「相続税」という言葉を普段からテレビやラジオ、新聞、雑誌などでよく見たり聞いたりされるのではないでしょうか。

「以前はかかっていなかった相続税がこれからはかかるのでは・・・」という話を聞いたりと、

よく使われている言葉ですが、そもそも相続税って何なの、ということで

「相続税」という言葉について、説明をしていきたいと思います。

「相続税」とは、亡くなった人の財産を受け継いだ時に、その財産の額が税法で定めた額以上の場合に発生する税金です。

日本在住の、誰にも納税の義務が発生します。その種類も様々であり、納付する税金も人それぞれです。

また、これらの税金は「国税」と「地方税」に分かれます。国に納付する税金を国税といい、県や市に納付する税金を地方税といいます。

相続税は、所得税や法人税と並んで国を支える国税の部分を占めています。それだけ、国民から多くの税金を徴収しているとも言えます。

相続税の役割とは

所得税や法人税は、一定期間に稼いだ所得に対して毎年かかる税金です。

その一方として、相続税は少し特殊な税金で、毎年かかるものではありません。

実際に相続が発生した場合、個人では所得税を支払ったにも関わらず、再度相続税を支払うことになり、違和感がある人もいるかもしれません。

しかし、国の本来の目的は

① 偶然に財産をもらった、という不労所得である

② 特定の人に財産が集中することを抑制するということで、相続税をかけるとしています。

普通、財産を相続することや引継ぐことに対しては「得をする」や「財産が増える」とプラスのイメージが見られます。

しかしながら、財産相続するということは「プラスもマイナスも全て引き継ぐ」ということで、マイナスの財産、つまり借金などの「負債」も引き継ぐことになります。

一言で財産といっても、どこまでのものが財産になるのかを把握するには、専門的な知識が必要となります。

財産を把握できたとしても、それぞれの内訳に相続税額の計算式があり、相続人(配偶者や子、もしくは孫、さらには養子など)の内容や

財産を誰に分割して引き継がせるかによっても計算式が異なります。

そのため、専門知識を得た専門家を利用することで、適正な相続税額を申告することができるのです。

あなたも相続税を支払うことになるかも?

書店で相続の説明をしている書籍は数多く存在しますが、所有する財産の額や種類、また各世帯の家族構成などにより、無数の実例が存在します。

その為に書籍を見て、適正な税額を計算することは非常に難しいことなのです。

では、実際に相続税を納めている人は日本国内でどれくらいいるのでしょうか。

国税庁が平成30年度分としてまとめた被相続人の申告実績の状況では、相続税の課税対象者は約11万2千人で、相続人全体の8.5%の割合となっています。

つまり、実際に亡くなった人の数が100人であれば、そのうち8.5人が相続税の申告したことになります。

これを過去の平成24年度分の課税対象者とのデータと比較すると平成24年度は4.2%の割合となっていたものが、

実に6年間で相続税の課税対象者が倍増していることが分かります。

なぜこのように増えたのかというと平成27年1月1日より税制改正により「相続税を納めなければいけない基準」が下がったためです。

この改正により、相続税を収める相続人が増えたことにより、いろいろなところで「相続」が取り上げられるようになって来ました。

また、全国の平均の8.5%に比べ大阪・兵庫・京都・奈良の4府県の平均は9.3%となり、東京・神奈川・埼玉の3首都圏の13.4%に続き課税対象の被相続人の割合が多い地域と

なっています。

今後はさらに件数や税額は増えると予測されます。なぜならば暦年贈与について令和3年度の税制改正大網にて

「相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直すなど、本格的な検討を進める」と記載されたためです。

そのため、これまで非課税だった生前贈与に制限がかかり節税しづらい状況が生まれ、相続財産が増えてしまうことが懸念されます。

このようなことから課税の対象者が増え、相続税の件数も税額も増えることも考えられますので、改正が決定すればすぐに対策について動くことも必要です。

これまで「相続」について身近に感じていなかった方も今後は相続税の対策が必要になるかもしれません。