遺産のトラブルを回避したい

先日、ご来社頂いたお客様より遺産分割について親子・兄弟間で揉めているとのご相談を頂きました。

お話を伺いますと、遺産の中身である財産を分類して整理をせず、相続手続きをしながらそれぞれの意向で動き、財産ごとに

よって分割を行っているようなので取り分が違う、相続税が多い、少ないなど混乱しているという内容でした。

まず、はじめに遺産は、有形・無形に関係なく、亡くなった方(被相続人)が生前に所有していた不動産・株などの有価証券

・生命保険金・現金・権利などの財産に分類されます。

遺産は生前の所有者が死亡した段階でその財産を手放したとみなされ、被相続人の親族である相続人がその遺産を受け継ぐ

ことを遺産相続と言います。

自分の配偶者や親が亡くなった時、必ずやってくるのが遺産相続です。

亡くなった被相続人の遺産を分け合うために、残された相続人全員で遺産分割協議を行い、「誰が」「どの遺産を」

「どのように分割するのか」を話し合うことになりますが、この時必ずと言っていいほど遺産を巡るトラブルが発生します。

これは相続人それぞれが何をどれだけ相続したいのかの考え方が違うからです。

遺産についてはまず財産の内容を整理しないと相続税も含め単純に分割することが出来ません。

なぜならば現在の時価としての財産の評価額と相続税の課税対象の財産の評価額とは異なっているからです。

また、単純に分割できない財産も出てきたり、分割することによ資産価値が損なわれるものも出てきます。

このようなことから財産内容の整理・精査をすることが重要になって来ます。

お客様には最初に財産の内容の整理と精査を行い、財産内容の見える化をすることをおすすめしました。

内容が見える化が出来れば相続人同士での認識のずれも修正でき、納得できる形で分割協議に進むことが出来ます。

分割方法についてもシミュレーションを使ってわかる化を行い、分割の内容によっての一次相続、二次相続での相続税の

違いなども確認していただきました。

相続人それぞれの主義主張はありますがまずは財産を見える化し、わかる化することによって相互理解が生まれます。

そのうえで、相続人の方々と集まってお話しすることで解決に向かいました。

 

 

 

本来ならば被相続人がご存命のうちに下記のことを確認しておくことをおすすめします。

「遺産相続」のトラブルを回避するためには下記のことを相続人同士で認識しておくとよいでしょう。

 

・相続財産は何があるのか整理しておく

・全相続人が誰なのか確定し、所在不明者がいないかを調べておく

・被相続人が死亡した時の手続きの流れを知っておく

・自分は遺産のなかで何を相続するのか決めておく

・遺産分割協議の進め方を調べておく

・不動産は財産評価で分けるのか地価相場の評価額で分けるのか認識しておく。

・遺言書の有無の確認と実行する方法を知っておく

・遺留分侵害額が無いか見極めておく

 

もし、上記のようなことが出来なくてもこのような作業が発生するということを知っておくだけでも少しは役に

立つのではないでしょうか。

今、まさに遺産を分ける話し合いをしているという方はもちろん、すでにもう終わりに近づいているという方でも、

改めて正しい知識を知ることは必要です。

自分が損をするということを避けながらも円滑な遺産相続を行えることが出来ると思われます。