不動産を相続したら

相続する不動産は3つに分類されます。

 

1.実家…親が住んでいた家。

2.活用している不動産…収入が取れている駐車場・アパート・マンションや貸家、貸店舗など。

3.活用していない不動産…「遊休不動産」ともいいます。空き地等、収入を生んでいない土地。使用していない建物、

空家・空きビル等

実家以外の不動産には、活用されている不動産もあれば活用されていない遊休不動産もあります。

そのため、相続する不動産の種類によって、対策方法も異なってきます。

1.実家の相続

相続した実家に誰も住まない場合、その家は空き家になります。実家が空き家になった場合の対策は。

①セカンドハウスや週末の趣味のスペースなどとして利用する

②活用して収入を得る

・建替えずに活用する

建物を建替えず、リフォームを行って、貸家として使用します。民泊やシェアスペースなど、貸家以外の

活用方法も考えられます。

・建替えて有効活用する

建物の老朽化が進んでいる場合などは、立地が良ければハイツなどに建替えるという活用方法もあります。新築の場合、

土地に適した設計が可能で、収益性も高くなります。

反面、建築費が高額になり、借入れをして建築しても入居者が入らない、家賃が下がるなどのリスクもあるため、

専門家による調査や計画が必要となります。

・解体して更地で貸す

取りこわして更地として利用する方法もあります。代表的なのはコインパーキングや月極駐車場ですが、立地や規模が合えば

ロードサイド物件として土地貸しすることもあります。

③売却する

活用をせずに、売却して現金化することが考えられます。

都心部や中心地以外の住宅地の価格は長期的には下落傾向にあるため、長く持ち続けてから売却するよりも、

早めに売却してしまったほうが高く売れる可能性もあります。

一定の条件を満たす場合、相続日から3年を経過する日が属する年の年末まで(ただし2023年3月31日まで)に売却をすると、

売却による利益(譲渡益)から最高3,000万円を差し引けると3000万特別控除という特例があります。

一定の条件とは、昭和56年5月31日までに建築されたもの、相続前に相続人以外の人が住んでいない、売却金額が1億円以下、

建物付きで売却する場合は耐震性がある建物であることなどです。この特例が適用できる空き家の場合は、適用期間に

間に合うように売却を検討しましょう。

④とりあえず空き家のまま保有する

活用方法を決めかねるので、しばらくは空き家のまま持ち続ける。

しかしながら、空き家と言っても、人が住んでいない家でも固定資産税などの税金や維持費がかかります。

適切な維持管理をしない場合は近隣トラブルになるケースもあります。

近年、空き家管理サービスを行う会社も増えてきています。料金は地域、会社、サービス内容によってさまざまです。

遠方に空き家がある場合はこのようなサービスの利用も検討するのも一つです。

ただし、空き家の将来は早めに検討しておくことをおすすめします。

2.活用している不動産の相続

活用している不動産を相続した場合、賃貸経営も引き継ぐことになります。

相続した物件によって経営状況の差は大きく変わります。

新しくきれいなマンションの場合もあれば、建築後50年以上経ち空室が多かったり、家賃が滞っているような

貸家もあります。

まずは、不動産の現状(築年数、入居率、修繕の必要性、管理状況、収支、滞納などのトラブル、借入金の状況など)の

調査を行い、今後、保有することでどのような収支になるのか、また今後でてきそうな問題やリスクを知っておく必要が

あります。

その場合は不動産会社だけではなく不動産鑑定士や不動産コンサルティングマスターなどの不動産を資産として

分かっている 専門家に 相談しながら問題を解決していくことをおすすめします。

本来は、生前に親と一緒に問題を洗い出し、早めに賃貸経営の引継ぎ体制を作っておくをおすすめします。

3.遊休不動産の相続

相続して困るのが活用されていない遊休不動産です。

不動産には、毎年固定資産税、都市計画税などの税金がかかりますので、相続した物件によっては大きな負担となっていきます。

そのため、相続した遊休不動産を(1)自己利用する(2)有効活用する(3)売却するのか、という3つの方法について

考えてみましょう。

(1)自己利用する方法

様々な用途で自分や家族が利用する方法。ただし、自己利用は収入を生まないので、固定資産税などの保有コストの負担は

続きます。

また多くの遊休不動産がある場合、自分で利用できる不動産の範囲にも限度があります。

コストが負担にならなければ、そのまま保有し続けることもできますが、そうでなければ将来の活用や売却についても

考えておくことが大切です。

(2)有効活用する方法

不動産を上手に活用をすることにより、家賃収入から管理費や税金などの支出を差し引いた「キャッシュフロー」が

期待できます。

これを「不動産の有効活用」や「不動産運用」といいます。

有効活用には、「何を建てるか」という選択と、どのような計画で賃貸経営を行うかという「有効活用の手法」の選択が

必要になります。

【何を建てるか】

土地の立地条件や物理的な状況などによって、活用の種類には様々なものがあります。

不動産活用は収入が期待できる反面、さまざまなリスクもあります。特に入居率や賃料の下落は賃貸経営に大きく影響します。

そのためどのような建物が適しているかについては、市場のニーズを詳細に調査し、土地の条件、資金計画などとあわせて

決めることが 重要となります。

土地活用の専門家としっかり打ち合わせを行い。資産として有益かどうかを見極めていく必要があります。

そのため建築会社や不動産会社だけでなく資産についての専門家にもヒアリングすることが重要です。

(3)売却する方法

使わない不動産や空き家をそのまま持ち続けると様々な問題が出てきます。よく「空地・空家問題」と言われていますが、

長く放置すればするほど近隣とのトラブルや相続登記をせずに放置することによる相続人間の紛争など、問題が

発生しやすくなります。

相続した土地を将来に渡り利用も活用もしないことがはっきりしているのであれば、トラブル回避のため早めに売却をする

ことも視野にいれたほうが良いでしょう。

 

 

相続する不動産には様々な種類があります。どのように対処するのが自分や家族にとって良い選択なのか、よく検討することが

必要です。

そのため信頼できる専門家に相談し、税理士、不動産鑑定士、不動産コンサルティングマスター、弁護士、

ファイナンシャル・プランナーなどの意見をまとめてもらうことが、重要となります。

相続不動産の資産を守りながらさらなる資産形成をしていくには安易な売却や有効活用でなく、全体的な資産のバランスを

踏まえて対策を講じることをおすすめします。

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